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静岡才能人を更新しました。(11/11)

日々の自然の美しさや感謝の気持ち、会話の中の言葉の響きを心に留める。生活そのものが作品に活きてきます。

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トップページ > 静岡才能人 > 書道研究 耿栄舎代表・書家“石田不空さん”

その後の活動はどのように変わっていたんですか?

写真:書道教室で指導する石田さん近所のお寺にご縁を頂きそこで教えることになったり、NPO主催の生涯学習講座講師として公民館で子供から大人まで教えることが出来るようになりました。今では生徒さんも80人ほどいらっしゃいます。
また、ある方のご尽力で沼津御用邸の東付属邸で毎年個展を開かせて頂いています。奥まっているため普段はあまり観光客が立ち寄らない場所ですが、お陰様で会期中は毎日100~200人の来場があり、沼津市の関係者の方々も喜んで下さっています。元々昭和天皇のご学問所ですよ。そんな所で皆さんに見て頂けて本当に光栄です。
あとは、様々な企業やお店、個人の方から頼まれて商品ロゴや表札なども手がけるようになりました。今では書道だけで生活しています。

‐「書家」ってどんな生活をされているんですか?

写真:石田不空さんやることとしては3つです。まず1つめは書道教室や講座。週4~5日市内各所で教えています。2つめが揮毫(きごう)といって、商品ロゴや賞状書き、表札などを頼まれて書く仕事ですね。3つめが自分自身の書きたい作品を書いて発表することですね。
日々の生活としては朝4時に起きて1時間半ほどかけて墨をすり、7時くらいまでは作品作り。9時頃から午前の教室。午後また教室がある場合となければまた作品作りです。1日の中で作品づくりにかける時間は6時間くらいですが、時間と紙が有ればいつまでも書いてしまいますね。

石田不空さんの作品

写真:石田不空さんの作品

‐石田さんの作品は多彩ですよね。どのように生まれるんでしょうか?

写真:書道道具1つの作品に1回あたり30枚~100枚書いて、数週間~数ヶ月かけて創り上げます。その字を書きたい意味や衝動があって納得して初めて書くのですが、書体はもとより、紙や筆、墨の種類、濃淡・・・無限に広がります。
そして、書いている時間よりも書きためた作品を選定している時間の方が長いんですよ。
書家というのは芸術家ですから、日々の自然の美しさや会話の中の言葉の響きを心に留めたりして、それが作品に活きてくるものです。寝るのも食べるのも含めて生活そのものが僕の作品づくりだと思っています。魂を込めるというか、大げさに言うと命を削って書いていると思います。
会社員と違い、自由な反面、有給休暇もなく自分の代わりはいませんから、教室は絶対休めません。作品も何を書くか決めて、書いて、選んで、とすべて一人の作業です。でもやっぱり書くのは本当に楽しいです。


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